あああ読書記録

読書、映画鑑賞のログ。個人的な感想を書いてます。

救いがなくて辛い。――『マイ・プライベート・アイダホ』 原題『My Own Private Idaho』

マイ・プライベート・アイダホ

by カエレバ

 

最後まで救いの見えない作品だった。社会問題を詰め込んだ作品とも言える。

思い出せない(出したくない)過去。パニックからくるナルコレプシー。友情と愛情のすれ違い。越えられない階層。

2人の主人公は、その様々な壁に抗おうと藻掻くが、ことごとく跳ね返されてしまう。そして諦め、それぞれの世界へと戻る。彼らを攻めることはできない。個人で乗り越えるには大きすぎる問題ばかりだ。

1991年から約四半世紀。社会は少しずつ変化している。あらゆる意味で多様性の重要性が議論されているのではないか。例えば、LGBTの運動も進み、作品の舞台となっているアメリカでは法レベルでの議論になっている。様々な病気も認知が進み、治療法も進化しているだろう。

しかし、格差の拡大など社会のすべてが良い方向へ進んでいるとは言えない。

解決の必要な社会問題は存在するということを考えさせてくれる作品だ。

 

ヨレヨレの服を着てボッチ姿がパパラッチされ、人気のキアヌ・リーブスの爽やかな姿を見ることができる作品。リヴァー・フェニックスは暗い影を背負った雰囲気。対称的な2人の魅力を感じた。

 

因みに監督のガス・ヴァン・サントはアカデミー脚本賞を受賞している『グッド・ウィル・ハンティング~旅立ち~』も監督している。

by カエレバ

 

リヴァー・フェニックス出演作品

旅立ちとは過去から自由になることだと思う。――『旅立ちの時』 リヴァー・フェニックス主演 - あああ読書記録